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テレビ番組で紹介され、その後書籍化。大反響となっている竹浪正造さん(93歳)の絵日記『はげまして、はげまされて~93歳正造じいちゃん56年間のまんが絵日記~』(廣済堂出版)。
正造さんと、亡くなった私の祖父が重なり、つい手にとってしまいました。
まずは、56年間も衰えない画力に感服。ほとんどのページがカラーなのも、これまたすごい。クスリ、ホロリの連続で、ページをめくる手が止まりませんでした。何よりも家族への愛が溢れています。
中でも、奥様をどんなに大切にされていたかが分かります。一緒に入浴したりなど、微笑ましい描写が続くかと思われたのですが、よもやの悲しい展開に。
正造さんが68歳の時に奥様が病に倒れ入院するのですが、願いもむなしく奥様はその数ヶ月後に帰らぬ人となってしまいます。
正造さんは、入院中の奥様の足を洗ってあげたりしてたんです。並みの男性にはできないことですよ! 奥様が亡くなった後の日記には「かあさんが夢に出て来た」という描写が増え、「夢で他の女をみることは絶対にない」という一言には、号泣しちゃいました。妻一筋なんて、まさに理想の男性ですよね。
絵日記を読み終わって自覚しましたが「私はグランドファザコンではないか」 ということ。そう言えば「昔アルバムで見た、若かりし頃の祖父は結構イケメンだったな~」「私の誕生日の時、祖父が近所のお店で鏡を買って来てくれたっ
け」などとニヤニヤした記憶があります。婚期を逃しているのは、祖父を超える男性が現れないから......なーんて、結局は自分のせいなんですけどね。
しばらくおじいちゃんに会っていない方、正造さんの絵日記をお供に帰省されてはいかがですか? これをきっかけに、グランドファザコンの人が増えるかもしれませんね。
(六島 京/マイスピ)